90日の試用期間(90ピリオド・トライアル)について
2019年5月6日より従業員数19名以下の雇用主のみが、新しい従業員を雇う際に最長90日間の試用期間を設けることができることとなりました。
試用期間について
試用期間はどのような産業または仕事にも適用可能です。
試用期間が有効となるためには下記を満たさなくてはなりません。
- 雇用開始前に雇用契約書の中で、試用期間に関する合意を得ること。
- 雇用契約書の中で解雇通知をいつまでに送達するかを明確に定めること。
- 雇用主と被雇用者の間で誠意をもって合意を得ること。試用期間の強要は出来ません。
(例) ジェニファーのボス、オマシュは月曜日に「仕事があるよ」と彼女へ連絡しました。ジェニファーは火曜日から働き始め、水曜日に雇用契約書に署名しました。ジェニファーの雇用契約書には60日間の試用期間が定められていましたが、彼女は雇用開始前に契約書へ署名しなかったため、これは無効となります。オマシュは試用期間を理由にジェニファーを解雇することは出来ませんし、もしそのようなことが行われた場合ジェニファーは不当解雇の申し立てを行うことが出来ます。試用期間を設けるためにオマシュは「雇用開始前」にジェニファーへ試用期間についての合意を得た上で雇用契約書を結ぶべきでした。
- 試用期間の規定は雇用契約書の中に盛り込まれていなければならず、また、下記を明確に定めることが義務付けられています。
- 雇用開始後ただちに適用されること、また期間は最長で90日までとすること(90日より短い試用期間を設定することも可能です)。
- 試用期間中、雇用主は被雇用者を解雇することが可能であること。
- この期間の解雇に関して被雇用者は不服申し立てやその他の法的措置を行うことができないこと。
被雇用者の試用期間中の権利と義務について
最低限の労働者としての権利と義務を有するものとします。最低限の権利には、健康と安全に関すること、最低賃金、年次休暇、祝日、傷病・忌引き休暇などが含まれますが、試用期間中の解雇に対して不服申し立てを行う権利は含まれません。
試用期間中ではない他の被雇用者と同様に扱われなければなりません。
試用期間終了時までに雇用者から通知がなかった場合、試用期間は終了したものとみなされ、その後は通常の雇用契約に移行します。
解雇通知について
もしも試用期間中に雇用主が解雇を決めた場合、解雇通知を送達しなければなりません。
解雇通知は下記を満たす必要があります。
- 解雇通知の送達は、雇用契約書で定められた期間内に行わなければなりません。
(例) 雇用契約書で解雇通知を1週間前までに送達すると定められていたにも関わらず、解雇を当日に言い渡した場合、被雇用者は不服申し立てを行うことが出来ます。
- 解雇通知の送達は試用期間内に行われなければなりません。
- 試用期間内に解雇する場合、解雇理由は必要ありません。
雇用主が試用期間中に解雇を行う場合、法的に解雇理由を告げる必要はありませんし、被雇用者に申し開きの機会を与える必要もありませんが、解雇時に解雇理由を伝えることは、ビジネスオーナーとして大切なことでしょう。
参考URL(英語のみ):
https://www.employment.govt.nz/starting-employment/trial-and-probationary-periods/trial-periods/