ロックダウン中の商業用不動産レント減額について
商業用不動産のテナントの方は、ロックダウンによりビジネスを休止しなければならない現状況下において、自分にどのような権利があるか、疑問をお持ちかもしれません。
ニュージーランドで最も一般的に使用されているリース契約のひな形はAuckland District Law Society (ADLS)によるものです。同フォームは、2011年のクライストチャーチ地震後に「緊急事態に関連する新しい条項」が加えられ、第6版へ改訂されました。
あなたの商業リース契約書(Deed of Lease、以後DoL)がADLSのひな形を使用している場合、契約書の右上隅を確認してください。「Sixth Edition 2012」と記載されていれば第6版で、以下の内容が含まれています。
緊急事態(定義には「疫病、伝染病」を含む)が発生した場合で「公共または財産の安全上の理由、または監督当局による敷地内の占有に関する制限を含む緊急事態に関連する可能性のある危険、危害、または損失を軽減または克服する必要があるため、敷地内への立ち入りを行うことが出来ない場合において」(ロックダウンの結果、今まさに私たちはその様な状態に置かれているわけですが)、家主(ランドロード、以下LL)とテナントは、支払われるべきレントとその他支出の減額について検討を行わなければなりません。
(Clause 27.5)
このような緊急事態が発生した場合について(政府による警戒レベル4の宣言後、COVID-19の現状はこれに当てはまります)、DoLには次のように記載されています。
「公平な比率」のレント及びその他支出の支払いが、テナントが敷地へアクセス出来なくなった日から、またアクセスが可能になる日までの期間、中止される必要がある。
この条項は少なくとも政府が警戒レベル3および4を宣言している間、適用されるべきであると考えます。
ADLSのDoLには、何をもって「公正な比率」とするかの具体的な言及はないため、第6版のDoLを結んでいるLLとテナントは、現在の状況に十分な配慮を行いながら、家賃と支出の削減について誠意を持って交渉を行う必要があります。
もしあなたのDoLがADLSフォームの第6版である場合、「No access period(アクセス不可期間)」と呼ばれる期間の条項も含まれています。
(Clause 27.6)
このアクセス不可期間の具体的な期間はClause15に記載されています。この期間を経てもなお、緊急事態の結果テナントが敷地内においてビジネスを行うことができない場合、LLまたはテナントが10営業日前に通知を行うことによりリース契約を解除することができます。レベル4のロックダウンの結果テナントがビジネス休止せざるをえなくなった場合、その時点から「No access period」がカウントされることになります。
ただし上記はADLS第6版のDoLを結んでいるテナントの方すべてに自動的に当てはまるという訳では必ずしもない点をご留意いただければと思います。これはテナントとして借りている敷地の用途によって「(減額すべき)公平な割合」が異なってくるためです。
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出来る限りご質問にお答えさせていただきたいと思っていますが、個別の契約書のレビューやLLとの交渉のご依頼に関しては、有料となりますことを予めご了承ください。